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保育園、幼稚園、認定こども園

働くお母さんにとっては、子どもを通わせる場所はとても大きな問題です。
保育園と幼稚園のどちらがいいの?『認定こども園』というものをよく耳にするけど、それって保育園や幼稚園とどう違うの?認定の園と認定外(無認可)の園とでは、やっぱり認定の方がいいの?など、様々な疑問がしょうじます。この記事では、園の種類とその目的について説明し、利用のポイントについてお伝えします。

幼稚園、保育園、認定こども園の違い

幼稚園、保育園、認定こども園の違いで着目すべき点に、管轄の省庁、施設の目的と先生の資格、対象年齢と認定区分、保育料があります。

◆違い1 管轄省庁

幼稚園:文部科学省
保育園:厚生労働省
認定こども園:内閣府(文部科学省と厚生労働省)

認定こども園の管轄省庁は内閣府ですが、文部科学省や厚生労働省とも連携しています。

◆違い2 施設の種類と先生の資格

幼稚園:教育施設
保育園:福祉施設
認定こども園:幼保一体施設

幼稚園は教育を目的とした施設、保育園は保育のための施設です。そのため幼稚園の先生は幼稚園教諭、保育園の先生は保育士の資格を要します。
認定こども園は幼稚園と保育園の特徴を併せ持つ施設です。認定こども園は以下の4種があります。

  • 幼保連携型:教育施設かつ福祉施設(幼稚園と保育園の特徴を併せ持つ施設)
  • 幼稚園型:教育施設(幼稚園に保育園の機能を加えた施設)
  • 保育園型:福祉施設(保育園に幼稚園の機能を加えた施設)
  • 地方裁量型:施設の分類なし(幼稚園や保育園の認可がないが、認定こども園の機能を果たしている地域の教育、保育施設)

幼保連携型の認定こども園は教育と保育の両方を目的とするため、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を必要とします。その他の型の認定こども園は、担当する子どもの年齢によって必要な資格が異なります。

◆違い3 対象年齢と認定区分

認定区分とは、子どもの年齢や保育の必要性に応じて認定される区分のことで、1号から3号まで分類されます。認定区分によって、子どもを預けられる施設が変わります。 幼稚園・保育園・認定こども園の対応年齢・認定区分は、以下の通りです。

  • 幼稚園:対象年齢=3歳~小学校に入るまで/認定区分=1号
  • 保育園:対象年齢=0歳~小学校に入るまで/認定区分=2号、3号
  • 認定こども園:対象年齢=0歳~小学校に入るまで/認定区分=1号、2号、3号

認定区分を判断するには、共働きや親族の介護などの事情により家庭で保育ができないなどの「保育を必要とする事由」に当てはまるかどうかがポイントになります。
認定区分により利用できる施設が変わります。例えば「保育を必要とする事由」に当てはまらない場合、 3歳から5歳なら認定区分は「1号」となり、利用できる施設は幼稚園か認定こども園、
0歳から2歳なら認定区分は「なし」となり、利用できる施設は必要に応じて『一時預かり』などの支援が利用できます。

※幼稚園には「子ども・子育て支援新制度」に移行しない幼稚園もあり、その園を利用する場合は、認定を受ける必要はありません。

よくわかる「子ども・子育て支援新制度」 内閣府
市政のひろば「幼稚園ってどんなところ?」 出雲市

◆違い4 保育時間と保育料

基本的な保育時間は、

  • 幼稚園は9時から14時まで
  • 保育園は7時半から18時まで

と定められています。また早朝保育や延長保育は各園によってさまざまに行われています。

利用料金となる保育料は、

  • 幼稚園(子ども・子育て支援新制度へ移行した園):保護者の所得により自治体が決定
  • 幼稚園(子ども・子育て支援新制度へ移行していない園):園が独自に設定
  • 保育園、認定こども園:支給認定区分および保護者の所得により自治体が決定

幼稚園の保育料は2015年に始まった子ども・子育て支援新制度に移行したかどうかが大きなポイントとなっています。所得による減額や免除の措置を受けられるほか、自治体によっては保育料を無償化している地域もあります。料金やその条件については、各自治体に問い合わせをしましょう。

※下記は県内自治体の一部です。その他の情報は各市町村役場にお問い合わせください。

保育施設の保育料について 松江市
http://www1.city.matsue.shimane.jp/kyouiku/hoiku/hoyoukodomo/hoikusho/hoikuryou.html 保育所保育料について 出雲市
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1414378604106/index.html
浜田市子育て支援サイト 浜田市
https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1389003899774/index.html
保育料の算定方法など 大田市
https://www.city.ohda.lg.jp/ohda_city/city_organization/24a/42/332/1619/

これまでをまとめると以下のようになります。

保育園 幼稚園 認定こども園
管轄省庁 厚生労働省 文部科学省 内閣府
施設の位置づけ 児童福祉施設 教育施設 園により異なる
利用年齢 0歳〜就学前 3歳〜就学前 0歳〜就学前
認定区分 2・3号認定 園により異なる※ 1・2・3号認定
保育料 世帯収入などに応じて自治体が定めた金額 園により異なる※ 世帯収入などに応じて自治体が定めた金額
保育者の資格 保育士 幼稚園教諭 保育教諭
保育士
幼稚園教諭
給食提供 義務 任意 義務

※子ども・子育て支援新制度への移行状態により異なる

預け先を選ぶためのポイント

子ども預け先を選ぶときのポイントは子どもの様子や共働き、収入などの家庭の状況に合わせて選びましょう。選ぶ際には以下のようなポイントに留意するとよいでしょう。

◆ポイント1 子どもを預けやすいか

幼稚園は教育施設であるため、小学校や中学校などと同様に夏休みがあります。そのため、夏休み期間中は子どもたちをその他の施設や機関に預ける必要があります。夏休み期間中、近隣に子どもたちを預ける場所があるかどうかを検討してみましょう。
保育園に子どもを預ける場合には、家庭の状況に応じて延長保育や土曜保育などの条件が必要かを検討するとよいでしょう。その他にも以下のことを把握しておくとよいでしょう。

  • 幼稚園は2年制なのか3年制なのか
  • 体調不良による園からの呼び出しに備えて勤務先から園までの距離
  • 徒歩通園ならば子どもに負担のない距離か
  • 送迎バスならば料金はいくらで送迎の時間帯はいつか など

認定こども園は認定区分によって、幼稚園としてなのか保育園としてなのかが決まります。認定区分に従って上記の事項を検討してみましょう。

◆ポイント2 園の教育・保育方針に共感できる

幼稚園と保育園には教育目的と保育目的とがあります。教育機関である幼稚園には独自の教育理念があり、マーチングバンドを園のアピールポイントにしたり、集団活動に力を注いだりする園もあります。福祉機関である保育園では、年下のこどもに優しくできるように学年間の活動を設定したり、全身で自然を感じられるように裸足で活動したりする園もあります。
親として子どもにはこう成長してほしいとの願いだけでなく、子どもの発達や興味関心も園の方針にあっているかを検討してみましょう。

◆ポイント3 保育料と補助について

厚生労働省の平成30年地域児童福祉事業等調査によると、1世帯における児童1人あたりの保育料の全国平均は約2万円となりました。もちろん、居住地や世帯所得、子どもの年齢などによって大きく異なりますが、決して安くない料金であることがわかります。
このことからも、保育料や自治体からの補助が受けられるかどうかも、預け先を選ぶうえで重要なポイントになります。
『違い4 保育料』で既に説明したように、幼稚園は園が子ども・子育て支援新制度に移行しているかどうかによって、保育園や認定こども園は保護者の所得や預ける子どもの人数などによって大きく異なります。自治体によっては料金の減額や免除の補助制度を設けている場合も多いので、自治体に問い合わせしてみましょう。
料金には保育料の他に園服や教材費なども必要になります。園のホームページを検索したり、説明会で質問したりしてみましょう。

子どもの発達や興味関心、家庭の状況になどによって、どの園に預けるべきかが違ってきます。多くの園では事前に見学を受け入れているため、実際に雰囲気を目で見てもよいでしょう。事前見学には子どもを連れていくことも可能ですので、保護者で決められないときには、最終的に子どもが興味関心を示したかどうかを判断材料にするとよいでしょう。

入園までのスケジュール

入園準備は入園を希望する前年度から始まります。幼稚園や保育園によって入園までのスケジュールや慣らし保育、プレ入園などの利用時期が異なります。

◆幼稚園の入園までのスケジュール

基本的な幼稚園の入園までのスケジュールは以下のようになります。

9月:見学会
10月:幼稚園説明会、願書配布
11月:願書提出(園か市役所へ)、面接
2月:保護者説明会(準備品の説明) と入園体験
4月:入園
※スケジュールは自治体によって変わりますので、必ず自治体に確認をしましょう。

願書は基本的に入園を希望する幼稚園に提出します。願書は各幼稚園および各市役所に設置してあるほか、市役所ホームページでダウンロード可能な場合があります。受付期日に間に合うように願書を手に入れて提出の準備をしましょう。

※下記は県内自治体の一部です。その他の情報は各市町村役場にお問い合わせください。

新入園児募集(幼稚園) 松江市
http://www1.city.matsue.shimane.jp/kyouiku/hoiku/hoyoukodomo/youtien/youtienannai.html
幼稚園・認定こども園(1号認定)の入園募集 安来市
https://www.city.yasugi.shimane.jp/kurashi/kyoiku/hoiku/yo-nin1-boshu.html
出雲市立幼稚園児募集について 出雲市
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/genre/0000000000000/1179820995097/index.html

◆保育園の入園までのスケジュール

基本的な幼稚園の入園までのスケジュールは以下のようになります。

10月:申込用紙配布
11月:入園申込(市役所提出)
1月:就労状況届けなど提出
2月:内定の電話、園で個人面談、健康診断
4月:入園
※スケジュールは自治体によって変わりますので、必ず自治体に確認をしましょう。

保育園の入所枠は11月頃に公表されることが多いようです。入所枠が公表されてから申込用紙の提出が締め切られるまでの期間は非常に短いため、利用したい保育園の入所枠の把握、申込用紙の入手と必要書類の準備、期日までの提出など、せわしないスケジュールになります。申込書は市役所で配布されますが、一部の自治体は子育て支援センターなどの施設でも入所が可能です。申込用紙の提出先は基本的に市役所になります。結果は2月末頃から『可否判定』という形で郵送通達されることが一般的です。
なお、申請は妊娠中でも可能です。つまり、出産後すぐに働かなければならない、親の介護をしなければならないなど保育が必要な状況にあることがわかっていれば、0歳からの利用申請が出産前にできます。

※下記は県内自治体の一部です。その他の情報は各市町村役場にお問い合わせください。

幼稚園・保育所・認定こども園 入所申し込みについて 雲南市
https://www.city.unnan.shimane.jp/unnan/kosodate/azukeru/2020_shoikusho_nyusho.html
保育所(園)・認定こども園・小規模保育施設への入所申込 江津市
https://www.city.gotsu.lg.jp/soshiki/11/8424.html
保育所入所の手続きについて 浜田市子育て支援サイト
https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1389002423868/index.html

◆認定こども園の入園までのスケジュール

認定こども園は認定区分が1号、2号、3号に分かれ、この区分によってスケジュールが異なります。

1号認定の場合

9月:1号認定願書配布
10月:願書提出を直接園に提出し面接、定員オーバーの場合は抽選
11月:入園手続き
12月以降:入園説明会、制服や道具の準備
2月:体験入園
4月:入園

2号認定、3号認定の場合

随時:市町村に申込書を提出 ※保育の必要性が認められた場合に認定証が交付される
12月:希望の園で面接
2月:入園承諾書、支給認定証を通知
3月:入園説明会、制服や道具の準備
4月:入園
※スケジュールは自治体によって変わりますので、必ず自治体に確認をしましょう。

事前に市役所で「保育の必要性の認定」を受けておくことが必須です。
認定区分によって、申請方法、提出書類、提出先などが変わるので注意しましょう。

教育・保育給付認定について 松江市
http://www1.city.matsue.shimane.jp/kyouiku/hoiku/hoyoukodomo/hoikusho/sikyuunintei.html

保育園入所の待機問題

都市部では家計を支えるために共働きが必要なのに、定員オーバーで保育園に入園できない待機児童が問題になっています。保護者の中には保育園に入所するために就労条件を変更したり、送迎しやすいよう保育園の近くに引っ越ししたりするなどの『保活』を行う人もいるようです。
島根県では県内の待機児童を把握しホームページで報告しています。また、ますます高まる保育園の需要に対し、島根県はその解消を図るために保育所の新設や定員の見直しなど、さまざまな取組みを行っています。

保育所入所待機児童数について 島根県子ども・子育て支援課
https://www.pref.shimane.lg.jp/education/syoushika/kosodate/hoikusho/taikijidou.html

企業主導型保育事業

企業が運営主体となって保育事業を開所する事業です。仕事と子育ての両立ができるよう、企業が事業所内に保育所を開設して従業員の多様な就労形態に対応できる保育サービスを提供しています。国は企業が実施する事業所内保育事業等に助成を行っています。
実施する企業は、自社の従業員の児童だけでなく地域の子どもを受け入れること(地域枠の設定)も開設しています。利用料金は企業内利用者に比べて地域枠利用者はやや割高になりますが、企業運営による他では見られない活動を楽しむことができます。

企業主導型保育事業について 公益財団法人児童育成協会
https://www.kigyounaihoiku.jp/
市内の企業主導型保育事業 出雲市
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1122977372011/index.html

幼児教育と特別支援教育

専門機関の調査では、特別な支援を要する園児の数は年々増加しています。平成29年に文部科学省は『発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン』で、「特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである」と述べており、幼稚園を含む全ての教育機関で特別支援教育が実施されなければなりません。最近になって幼稚園の特別支援教室が全国的に整備されるようになりましたが、小中学校の特別支援教育のようには十分ではありません。

幼児教育保育についての基本調査 『1-7特別な支援を要する園児の状況』ベネッセ教育総合研究所
https://berd.benesse.jp/up_images/research/All_web.pdf
発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン 文部科学省
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/13/1383809_1.pdf
幼児期における特別支援教育の現状と課題について
幼児教育の実践の質向上に関する検討会 文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/1422191_01.pdf

島根県内の特別支援幼児教室

2020年時点で島根県内には、松江市内の市立幼稚園と幼保園の8園に13教室が設置されているほか、出雲市には今市幼稚園に、大田市には鳥井保育園にめだか教室が設置されています。また、出雲市では幼児教育に精通し、幼稚園・保育所等の職員に対し、幼児教育全般の指導、助言、相談、研修などを行う『幼児通級指導員』を特定の小学校に配置し、幼稚園や保育所等への巡回訪問等を行っています。
その他の自治体でも、幼児教育の充実に向けた取り組みをすすめています。設置状況については、市役所(基本的に幼児教育を管轄する課)に確認しましょう。

基本的な申請方法は市役所の保育行政を担当する課に申請するか、既に園に在籍しているのであれば在籍している園を通じて申請します。例えば、松江市内でこれから入園を検討しているが子どもの発達が気になる場合、発達・教育相談支援センターエスコに相談することが推奨されています。連絡先は『特別支援幼児教室のご案内~早期からの相談と支援を~』を参照ください。
既に園に在籍している場合は、在籍する園に相談をしましょう。必要に応じて園から自治体の専門家による巡回相談が依頼され、特別支援幼児教室の利用の検討だけでなく、日々の支援のヒントや助言を受けることができます。
申請方法は自治体や園に在籍しているか否かによって大きく異なるため、市役所や園に確認をしましょう。

幼児への早期支援 松江市
http://www1.city.matsue.shimane.jp/kyouiku/tokubetushien/youjihenosoukisien.html
特別支援幼児教室のご案内~早期からの相談と支援を~ 松江市
http://www1.city.matsue.shimane.jp/kyouiku/tokubetushien/youjihenosoukisien.data/youjikyoushituri-huretto.pdf
めだか教室 大田市
https://www.city.ohda.lg.jp/files/original/2020050415564075369474f23.pdf

園からの相談には『島根県幼児教育センター』を利用

園からの相談には『島根県幼児教育センター』を利用 島根県は、2018年(平成30年)4月に「島根県幼児教育センター」を設置しました。 子どもに発達障がいがある無しに関わらず、幼児教育全般の支援や情報提供、職員派遣による研修などを行っています。主な業務には以下のものがあります。

1幼児教育に関わる研修等の企画・実施

2幼児教育施設等の園内研修の支援
-(1)実際の保育参観に基づいた助言
-(2)新教育要領・指針等の説明・演習
-(3)幼小連携・接続に係る研修
-(4)幼児期における特別支援教育に係る研修
-(5)研修体制・計画づくりの相談
-(6)研修会等に向けた継続的な支援

※その他、要望に応じて。

対象となる利用者は各種の園や小学校であり、個別の児童に対するアセスメント(情報を集めて総合的に判断すること)や保護者個人への相談対応はしておりません。しかし、幼児期における特別支援教育に関する研修や幼稚園と小学校の連携に関する研修などを、園や学校に講師を招いて受講することができ、園や学校の子ども達への支援を充実することができます。

島根県幼児教育センターについて 島根県
https://www.pref.shimane.lg.jp/education/syoushika/kosodate/hoikusho/youji_kyoiku_kodomo.html