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『ちょっとふしぎ 吃音・チック・トゥレット症候群のおともだち』ミネルヴァ書房

発達障害はASD・ADHD・SLDだけじゃない

『発達障害』が広く知れ渡るようになり、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、限局性学習症(SLD)についても理解をしてくださる人が増えてきました。その反面、ASD、ADHD、SLD以外の発達障害については、まだ理解が十分とは言えないようです。

厚生労働省のホームページでは、下図で各発達障害の特徴を紹介しています。

ホームページでは、あわせて以下の説明が加えられており、チック症状やトゥレット症候群への理解も広がっていくことが望まれます。
上の3つのタイプの他にも、トゥレット症候群のようにまばたき・顔しかめ・首振りのような運動性チック症状や、咳払い・鼻すすり・叫び声のような音声チックを主症状とするタイプのものも、発達障害者の定義には含まれています。
チック症状とトゥレット症候群の詳細は、こちらを参照ください。

子どもと話そうチック症状とトゥレット症候群

チック症状やトゥレット症候群を抱える子どもには

「自分はなぜ声が出てしまうのだろう」

「言いたくもない言葉を言ってしまう自分はおかしいのだ」

「何か大きな病気なのかもしれない」

と、不安を抱えている場合があります。

周囲の同級生が奇異な目でみたり、疾病に対する無理解でからかったりいじめたりしてしまうこともあります。

筆者の経験では、授業中の音声表出や不随運動を多動衝動と捉え、ADHDに準じた支援を実施していた学校や、残念なことに「反抗」と捉えていた学校もありました。

チック症状やトゥレット症候群にはお薬が有効になることが少なくありませんが、同時に子ども本人や同級生に対して正しい情報教育も必要だといわれています。

正しい情報教育をすることで、上記のような誤解や偏見が解くことができ、安心して症状を出せる環境になります。すると、「症状を出さないように抑えよう」「恥ずかしいから我慢しよう」とするストレスが和らぎ、症状が改善しやすくなるのです。

そこでお勧めしたい書籍に『ちょっとふしぎ 吃音・チック・トゥレット症候群のおともだち』(ミネルヴァ書房)を紹介します。本書は、吃音、チック、トゥレット症候群がどのような障害なのかをわかりやすく説明しているだけでなく、症状に悩む6名の子どもの学校生活を取り上げ、学校でどのような配慮が可能かを具体的に記載しています。

また、6名の子どもの思いも紹介しており、同級生が症状に悩む友達の気持ちを考える教材としても活用ができるでしょう。

ちょっとふしぎ 吃音・チック・トゥレット症候群のおともだち ミネルヴァ書房