カンガルーパス(一畑バス&電車)で上手にこだわり支援
乗り物へのこだわり
A君は乗り物が大好きです。バスや電車はもちろん、エレベーターやエスカレーターでも目にすると、乗りたいと強くせがみます。
「駄目だよ」「後にしよう」とたしなめたり、乗った後にA君が「もう一回」と言うのを聞き入れなかったりすると癇癪をおこしてしまいます。
電車やバスは利用料がかかるし、エレベーターやエスカレーターは繰り返すと人目についてしまいます。
そこで、A君とお母さんは一畑電車株式会社が発行しているカンガルーパスを利用することにしました。
一畑電車株式会社の『カンガルーパス』
小学校就学前の幼児1名と養育者1名が、一畑バスと電車が6か月間乗り放題になるパスポートです。3,500円でとてもリーズナブルです。
利用できる曜日は土日祝日に限定されますが、お母さんは台所のカレンダーの日曜日に電車のマークを記載することで、A君は日曜日を楽しみに待つことができるようになったようです。その効果でしょうか、エレベーターやエスカレーターを見て「乗りたい」と、A君がせがんでも、「日曜日に電車に乗ろうね」と声をかけると受け入れてくれるようにもなったそうです。
一部の一畑鉄道の駅には、無料の駐車スペースがあり、車で駅に行っても問題がありません。電車の中でA君が宍道湖を眺めている様子を見守り、お母さんもゆっくりできているとのことです。
こだわりを尊重する
子どものこだわりは癇癪へ発展してしまうこともあることから、修正したりなくしたりしようとする方がいます。一般的に、修正や改善が必要なこだわりは次のようなものに限られます。
〇自分を傷つけたり他人に危害を加えたりするもの(自傷他害)
・自分の頭を壁にゴンゴン打ち付けてその感覚を楽しんでいる
・髪の毛が気になり、友達の髪の毛を引っ張る
〇他人の行動を著しく制限するもの
・同じ道順にこだわり、同行を強いる
・夜間でもドライブを要求してくる
〇活動が広がりにくいもの
・ビニールをカシャカシャする
・電光掲示板の明滅をじっと見つめる
上記以外のこだわりであれば、尊重してあげること、上手に生活に組み込んであげると、日常生活は円滑に過ごせることがほとんどです。