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『マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち』(著)宮口幸治 (作画)佐々木昭后 扶桑社
忘れ物をしては先生に注意される児童
一斉行動が周囲よりも遅れる児童
ちょっとしたことですぐに怒る児童
友達からの関りを被害的にとらえてしまう児童 など
いわゆる『気になる子ども』の背景に、本書は『境界知能』や『グレーゾーン』の可能性を指摘しています。
例えば、同級生(家庭ではきょうだい)が親切心で教えてくれたことに対してキレてしまうような子どもの場合には、背景に『自尊心(自信)の低下』があるかもしれません。自信がないために、友達(きょうだい)の厚意を「どうせバカにしている」と被害的に捉えてしまい、怒りの感情が沸いてしまうのです。
その『自尊心(自信)の低下』を丁寧に紐解いていくと、『境界知能』や『グレーゾーン』が潜んでいることがあり、実は、常日頃からうまくやりたくてうまくできないことに子ども自身が悩んでいることがあるのです。
本書は『境界知能』や『グレーゾーン』とは何なのか、それがどのように子どもの問題行動に影響しているのかを、具体的な事例を漫画にして説明しており、とても分かりやすい一冊になっています。
また、子どもの問題行動を『境界知能』や『グレーゾーン』が要因であると終わらせることなく、感情、考え方、自尊心にどのような支援が必要かを説明しており、学校や家庭でも参考にしやすくなっています。
本書の続編『困っている子を見逃すな マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち2』では、事例検討会のポイントも説明されており、合わせて読んでいただくことで理解も支援も深くなるでしょう。